おたふくわた復活プロジェクト

1. 「おたふくわた」は過去のブランド?

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当社が寝具業から不動産賃貸業へ業務を転じてから今年(※コラム執筆時の2001年)でちょうど5年目になります。当時は発祥の地である福岡はもちろん各新聞紙にも取り上げられ大変大きい反響でした。
当時の商標である「おたふくわた」は九州地方ご出身の方やご年配の方々はよくご存知ですが、若い世代などで知っている方はほとんどいないかもしれません。どういう会社かあまり分からなくてもあのおたふくわたの顔だけは強烈に覚えているという方も中にはいらっしゃるでしょう。さて、あのおたふくの顔はどこに隠れてしまったのでしょう。

私は昭和47年5月8日に生まれました。父は私が小学校3年生の時に他界しました。しかしなんとなくふとんの仕事をしていたという記憶はあります。大学卒 業後は、某大手メーカーのグループ会社で営業マンとして4年ほど活動していました。この会社では数多くのことを学び、多くのお客様と出会えたので、本当に 素晴らしい経験が出来ました。
しかしある時、私が自宅でインターネットをやっている際に、おたふくわたと検索を入れてみると、結構検索結果が出てきたではありませんか。組合やおふとん屋さんの紹介もありましたが、その結果のほとんどがホーロー看板マニアのホームページでした。ホーロー看板というのはブリキで作った広告版です。
その中におたふくわたのものが数多くありました。おもしろくなって見ていると、とある言葉が出てきました。

「おたふくわたは過去のブランドです。」と出ていました。確かに当社では現在商標をもっていますが、不動産が主な事業なので、過去のブランドかもしれません。しかし私はこのとき「過去のブランドでも生き返るチャンスはないのか。いやあるはずだ」という気持ちが強くなってきました。
この顔の事に興味を持ったとたんにおたふくわたの由来や寝具の歴史、そしてわたの事に興味が出てきました。そう思った時、現状を見に行こうとふとん屋やデパートに出かけてふとんを見に行くことが増えてきました。
最近、日本では掛け蒲団には羽毛、敷き蒲団には羊毛パットなどのセットが定着してきています。そのせいかどのお店に行っても、「ふとんをセットで買いたいのですが」というとこのセットを提供してきます。
しかし私はどうも羊の上で寝て鳥の下で寝る、このコンビがなにか自分には不自然に感じられるのです。そしてわたについて聞くと「干すのが面倒くさい」「重い」「売れない」「もう時代遅れ」という返事が返ってきます。しかしわたの長所を言う方がいないのです。私の知る限りわたには沢山の長所があるのに・・・。なにか悔しい想いが込み上げてきました。

そして私は原田家の家業であった「わた」について、「ふとん」について、改めて調べていこうと決心したのです。そして私は昨年7月に他の夢を捨てこのわたと付き合おうと円満退職をして営業マンに別れを告げたのです。
おたふくわたは「今は」過去のブランドです。こういう不安定な状況が続くいまこそ、あの満面の笑みを持ち、幸せを運ぶ顔が必要なのではないでしょうか。このページは皆さんと一緒におたふくわたを探しにいこうと考えたページです。これからも定期的に書いていきますので、ご声援の程宜しくお願いします。

九代目 原田浩太郎

※このコラムは2001年8月に執筆されたものです

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