九代目のひとりごと

27.またもやテレビ番組で羽毛、羊毛ふとんを否定。 大反響になったNHK朝の人気番組「生活ほっとモーニング」 ~これは鳥インフルエンザに次ぐ自然界からの警鐘か・・~

私は信仰心が特別強いわけはない。だがこれは神の怒り、自然界からの警鐘、と深刻に考えてしまう。最近、あちこちで羽毛、羊毛ふとんを疑問視する声が出ているのだがついに公共放送のNHKでもこれらのふとんを否定してしまった番組があった。

一部のマスコミなどでも取り上げられたが10月4の午前8時45分から放送された人気番組「生活ほっとモーニング」という健康情報番組で「からだはエライ!Q&A ぜんそくの悩み」という特集があった。

ここ最近ぜんそくの患者が急増しているという。しかも成人になってからなる人が多いので深刻化が進んでいるというのだ。アレルゲンの中で特に有名なのがダニ、花粉、カビ、動物の毛、卵、などだが今回はダニを中心に番組は取り上げた。 番組では、ぜんそくを持った子供のいる家族を取り上げふとんの手入れ方法や掃除機をかける前と後でのダニの量などを測っていた。掃除機をかけるとダニの量が減ったというオチだった。

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だが問題になったのはその後だ。場面がスタジオに戻り、斎藤博先生(国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部部長)が説明をしながらテロップでふとんの素材を○×で流し、なんと羽毛、羊毛に× 綿、ポリエステルに○を出していた。この表示に業界の各団体やメーカーが猛烈な抗議の電話などをしているという。また主婦などからも問い合わせがかなりあると聞いた。
何を根拠にしているのだ。確実なデータはあるのか。という内容が多いそうだ。

私は綿ふとんが否定されなかったと内心安心した反面、テレビの反響の怖さを再確認した。10年前にも日本テレビの超人気健康番組である大学教授が「羽毛ふ とんは温かすぎる。あんなの8時間も寝ていれば心臓に負担がかかる。これは人殺しのようなもんですよ」と発言し大問題になってしまった。

私は勇気を出して番組に出演した斉藤先生に連絡をし、話を聞くことが出来た。斉藤先生は抗議の電話が殺到し多少電話口でも疲れがわかるような口調だったが私には逆の電話だったので色々と話をしてくれた。

何の資料に基づいて話したのか・・・それが気になった。我々は「綿は体に優しい」といくら消費者に話しても「自社製品の思い入れ」と思われる事もある。だから私は寝具に関する公に出ている貴重なデータをいくつも集めている。私の手元には綿が良いと判断出来る資料が揃っている。

斉藤氏が教えてくださった団体、さらに放送をしたNHKにも連絡をしてディレクターと話が出来、ついに会社にデータが届いた。社団法人である日本小児保健協会のデータによると綿ふとん、ポリエステル、羽毛、羊毛、ぬいぐるみ、じゅうたん、などのダニの量を測り掃除機をかけた結果、羽毛と羊毛ふとんはダニの量が大幅に減らなかったというグラフが出ていた。さらに羽毛や羊毛は動物性なのでダニを増殖させていると結論付けていた。

実験方法やデータに関しては多くの意見があるのはわかるが公的機関の学会で発表され、さらにそのデータが有効であると認められてNHKで全国に放送されたことは事実である。

今年の冬には新型インフルエンザが大流行すると言われている。鳥から人にうつる病気は重症化するという。鳥インフルエンザから発生されるというこの病気、そしてBSE牛肉問題など我々を脅かすこの状況は動物界、つまり自然界の警鐘としか思えない。

ふとんに使われる羽毛には関係がないといわれているが販売や輸入に打撃を食らうだろうし消費者から不安の声が再び出るのも確実だ。業界は安全であるという根拠あるデータを出さなければいけない。

だからといって植物繊維である綿にも遺伝子組換え綿やオーガニックコットンなど研究すべき課題は多い。
引き続き我々は日々これらふとんに関する話題をつねにキャッチし探求していこうと思う。

九代目 原田浩太郎

※このコラムは2005年11月に執筆されたものです

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