九代目のひとりごと
26.アメリカ人は手作りふとんを知らない。 ~加藤エイミーさんと一緒に商売をすることは今後のおたふくわたにとって意味が大きい~
ブログでも以前書いたが麻布十番で和雑貨などを扱うBLUE&WHITEという有名ショップと組んで弊社の赤ちゃんふとん「おたふくちゃん」を販売することになった。オーナーであるアメリカ生まれの加藤エイミーさんは日本の伝統品や骨董品、珍品などを数多く持つコレクターで写真集や本なども多く出版されている有名人である。私との出会いはブログで参考にしてほしいが、夏前に販売する予定だったがなかなかタイミングが合わずようやく秋には販売が出来そうである。
お互い時間が合わなかったのも理由だが加藤さんは日本に住むアメリカ人の主婦をターゲットにこのふとんを売ろうと考えている。だから夏に打合せをした時は「子供たちが夏休みに入り多くの家族がアメリカに帰っているから販売するなら秋が良い」と提案してきたのだ。
私がおもしろいと思ったのが、多くの外国人をお客に持つ加藤さんが、今回に限っては祖国であるアメリカ人を完全にターゲットとして絞っていることだ。現在、アメリカでは自然回帰という考えも広がってきている。人工製品があまりにも氾濫して環境を汚してきたという反省が生まれ、現在ではナチュラルブームが来ているという。だがこれはブームでなく文化になっていかなければいけないと多くのアメリカ人が思っているらしい。
知人に聞くとアメリカではそもそも肌着、衣類以外では綿100%という素材が少ないらしい。アメリカ綿は世界でもトップシェアなのに国内であまり使われていないという。
つまり、衣類以外は輸入品として国外に出て行ってしまう。当然綿を使う手作りのふとんなんて知らない人が多い。
加藤さんは綿100%を使った手作りふとんはアメリカ人の多くが興味を持つだろうと話した。「赤ちゃんこそ肌や体に優しい寝具」をうまくPRできればきっと売れていくと感じたのかもしれない。「アメリカ人はアレルギーなども気にするので綿素材は受け入れられるでしょう」と加藤さんは話す。
さて日本に住むアメリカ人は綿100%の赤ちゃんふとんをどう評価するのか。
ふとんを日に干す習慣があまりないはずだから、当社の赤ちゃんふとんの手入れをきちんと続けて欲しいという気持ちはある。だが日に干せばふっくらカサが戻り、日に当たったあの独特の匂いをどう思うかも楽しみだ。そして何より手作りでふとんを作ったすばらしさをぜひ実感してほしい。
もし国内のアメリカ人に今回赤ちゃんふとんが高い評価をもらえばおたふくわたは世界的に勝負をかけてみようという大きな目標を掲げられる。だから何としてもこの販売を成功させていきたい。
※このコラムは2005年10月に執筆されたものです